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モバイル・ブロードバンドの構成要素

February 12, 2013

はじめに:

エリクソンには、エンゲージメントプラクティスという部門があります。ここでは、コンサルタントであるエリクソン社員が、市場や通信事業者、エンドユーザの抱える問題や隠れた課題をいろいろな視点や手法により発見し、解決策を提案していくというユニークな機能を提供しています。

このブログでは、コンサルタントが国内外のマーケットや技術動向など「旬」な情報をモバイルブロードバンドの観点から、わかりやすく解説していきます。また、みなさんが普段なかなか触れることのない海外モバイル市場の動向や、グローバルエコシステムなどについても触れていきます。

第一回となる今回は、今日におけるモバイルブロードバンドの主な構成要素とそれぞれポイントとなる点についてご紹介しますが、こらら構成要素ひとつひとつについては今後の連載の中でもう少し掘り下げて説明していきます。


モバイルブロードバンドの構成要素:

モバイルブロードバンド環境というと、一般的にネットワークの高速化のみを思い浮かべそうですが、実際には主に「端末」「料金・サービス」「ネットワーク」の3つの要素により構成されています。ユーザは通信事業者を選ぶ際この3点を比較検討し、通信事業者もこの3点について競合など市場の動向なども踏まえた上でサービスを提供しています。つまりこの3点がモバイルブロードバンドサービスを成功に導く成功要因とも言えるかと思います。

まず端末についてポイントとなる点は、その能力の違いについてです。よく製品資料などを見ていると”LTE 75Mbps”などの表記を見かけますが、これはピークレートつまり理論上の最高速度のことを表しています。端末のピークレートはネットワークの速度とは別にCategory4は、150Mbpsなどといくつかのカテゴリに分かれており、どのカテゴリをサポートするかによりその端末が出せるピークレートが変わってきます。しかしながら、実行速度は外部環境でも変わるため、同じピークレートを持つ端末であっても端末の感度といった処理能力の違いにより差が出てきます。

次に料金についてですが、これまではパケット定額料金が主に用いられてきましたが、LTEサービスの導入以降、一定額で月々決まった通信量が利用できるプランがメインとなりました。また、米国のキャリアでは通信量を何段階かに分けた料金プランなどをLTE向けに投入しましたし、カナダのRogersでは月々の支払いを複数のデバイスや家族の端末でシェアするマルチデバイスプランが以前より好評です。こういったプランの多様化は今後ユーザが利用するサービスやネットワークに与える影響についても変化を与えていく可能性があり、動向を観察していく価値があると考えています。  

ネットワークは、カバレッジ、通信速度、キャパシティ(通信容量)、とさらに3つの重要な要素で構成されており、通信キャリアはそれぞれを休むことなくメンテナンスし続け、より快適なモバイルブロードバンド環境を提供しています。

しかしながら、最近ではスマートフォントラフィックの増加により、周波数のキャパシティが不足するケースや、高速化の要求も高まっており、今後はLTE-Advancedと呼ばれる新たな規格や、セルの分割や高密度化、スモールセルの配置やWiFiによるトラフィックオフロードなど、いくつかのソリューションを組み合わせ、適材適所に配置していくという、以前よりも複雑で高度な作業が必要となってきます。

グローバル化:

上記のように、快適なモバイルブロードバンド環境の提供にはそれぞれの要素に対し、以前よりも複雑なオペレーションが要求されるようになってきますが、さらに最近では上記3つともに大きく影響のある要素が存在します。それはグローバル化です。

端末やネットワークの部品、仕様および利用周波数などはグローバルエコシステムの動向に影響を受け、事業者のネットワーク戦略に影響を与えるケースも出始めています。

このため、これらグローバルエコシステムを理解し、そこにかかわる企業との相互協力関係が不可欠となっています。また米国や韓国などLTEの普及が先行している国もありますので、これらの国の事業者例から学べる事象も存在し始めています。

エリクソンでは上記3つのモバイルブロードバンドの構成要素を、世界1000以上のネットワークのデータと共にラボで収集分析している他、グローバル端末やOTTキープレーヤーとの相互協力やIOTなどにより、多くの知見やノウハウを蓄積、製品やコンサルティングノウハウとして活用しています。今後はこれらの視点を踏まえ、モバイルブロードバンドに関連する話題をひとつひとつ紐解きながら、少し踏み込んだお話をしていきたいと思います。

 

エリクソン北東アジアにてモバイル・ブロードバンド関連を担当。