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IMT用無線周波数追加割当

October 03, 2013
著者: 本多 美雄   カテゴリー:レポート

携帯電話システムなどの無線ブロードバンド・システムが扱うトラフィック(データ量)は年々急速に増加しています。エリクソンが発行する「エリクソンモビリティレポート」2013年6月版では、全世界のモバイル・トラフィックは2012年から2018年で約12倍に増加すると予測していますが、増加するトラフィックに対応するため、新規に周波数を割り当てる検討が行われています。世界無線通信会議(WRC-15)の議題1.1「IMT及びモバイルブロードバンドアプリケーションの周波数」においても、IMTに新しい周波数帯を割り当てる議論が行われる予定です。(WRCとは、国際電気通信連合(ITU)が3〜4年ごとに開催する会合で、無線通信の国際的な周波数配分について議論され決定される場です。次回は2015年の開催予定です。)このため国際電気通信連合無線通信部門の5D作業部会(ITU-R WP 5D)にて、議題1.1のための検討が進められています。

さて、2013年7月10日から17日の日程で、札幌にてITU-R WP 5D会合が開催されましたので、WRC-15議題1.1関連の結果について報告します。

WP 5Dでは、モバイルシステムで将来必要となる総周波数帯域幅の推定を行ってきました。ここでモバイルシステムとは、第三世代(IMT-2000)以前、IMT-2000、およびIMT-Advancedシステムを指します。結果として、各国のモバイル通信の需要量によって、2020年には1340MHzから1960MHzの周波数帯域幅が必要との結論を得ています。日本でLTE等のモバイルシステムに割当てられている周波数帯域幅は、現在約500MHzです(2.5GHz帯広帯域移動無線アクセスシステムを含む)。したがって、高需要のモバイル通信を想定した場合、2020年までに新たに約1500MHzが必要となる計算です。

またIMTに割当を行う周波数帯の候補として、410MHz帯から6425MHz帯の中から複数の周波数レンジを挙げて、その特徴とともにリストを作成しました。

今後ITU-Rでは、上記の周波数レンジにある既存無線システムとIMTシステムの周波数共用検討を行い、WRC-15議題1.1への入力内容を準備することになります。

このように2020年以降のモバイル通信を見据えた、周波数割当の議論が世界的に進行中です。

 

IMT: International Mobile Telecommunications
IMT-Advanced: International Mobile Telecommunications-Advanced
IMT-2000: International Mobile Telecommunications-2000
ITU: International Telecommunication Union
ITU-R: ITU-Radiocommunication Sector
WP 5D: Working Party 5D
LTE: Long Term Evolution
WRC-15: World Radiocommunication Conference 2015

 

著者

本多 美雄

エリクソン・ジャパン 標準化・レギュレーション担当部長

エリクソン・ジャパンにおいて、第2世および第3世代携帯電話システムの標準化、IMT-2000製品の管理および関連ソリューションなどに従事。IMT-2000およびIMT-Advancedの標準化を行うITU-R WP 5D会合に日本代表団の一員として継続的に参加している。