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エリクソンRadioDotシステム

October 08, 2013
著者: 藤岡 雅宣   カテゴリー:レポート

エリクソンは先日、屋内での無線カバレッジと大きな容量を手軽に、柔軟にしかも低コストで実現できる画期的なソリューションを発表しました。それがRadio Dotシステムです。その特長は以下のとおりです。

・直径約10cm、重さ約300gと非常に軽量でコンパクトなRadio Dot(RD)はビル内の天井や壁に設置される。RDはアンテナ取り付けユニットとアクティブアンテナ要素という2つの部分から構成される。アクティブアンテナ要素は周波数毎に異なり、これを置換すれば対応周波数を変更することができる。

・RDは通常のイーサネットケーブルでIndoor Radio Unit(IRU)に接続される。イーサネットケーブル上では無線データだけではなく、制御信号、更には電力も搬送される。RD自体にローカルな給電は必要ない。イーサネットケーブルはRDとIRU間でポイント・ツー・ポイントの形態で専用に敷設する。例えば最近よく使われているカテゴリー6Aのケーブルを使用すれば200mまで伸ばすことが可能である。

・IRUには8つまでのRDを収容可能であり、初期実装では一つのIRU配下の複数のRDが同じセルを構成する。つまり、複数RDが同じ無線信号を送信し、また複数RDで受信した無線信号がIRUで単純に合成される。

・IRUはベースバンド処理を行うDigital Unit(DU)と光ケーブルで接続される。DUは従来エリクソンが提供してきた屋外基地局などで用いるベースバンドユニットと全く同じである。従って、屋外と屋内で全く同じ機能が提供されることになる。

・RDシステムは3GとLTEのマルチスタンダード対応である。RDには2つのアクティブアンテナ(無線増幅機能を含むアンテナ)が組み込まれており、LTEについては2x2MIMOに対応可能、3Gについては受信ダイバーシティに対応可能である。

・各RDの出力は最大100mW x 2であり、600m2~800m2程度までのカバレッジを持つ。RDの密度を調整することにより、ビル内の何処でも画像系アプリのような高速大容量を要するアプリが利用可能となる。

従来、中~大型のビルでは長大な同軸漏洩ケーブルを敷設するなり、光ケーブルでデジタル信号を送り無線ユニットで増幅するなど、何れのケースもケーブルあるいは電源の工事が煩雑、また高コストという課題がありました。それらに対して、Radio Dotシステムは工事が簡単でRD設置場所を柔軟に選択でき、その上コスト的にも競争力のある非常に優れたソリューションであると言えます。また、どこでも高い容量を提供でき様々なアプリが利用される今後のモバイルブロードバンドの要求に十分に応えることができます。製品としての商用導入は来年後半ですが、日本にもこのシステムが広く導入されることを期待しています。

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タグ: モバイル

著者

藤岡 雅宣

チーフ・テクノロジー・オフィサー

1998年に日本エリクソン(現エリクソン・ジャパン)入社。IMT2000プロダクト・マネージメント部長や事業開発本部長として新規事業の開拓、新技術分野に関わる研究開発を総括。2005年2月より現職。エリクソン入社以前は、KDDにてネットワーク技術の研究や新規サービス用システムの開発を担当。
著書として「ISDN絵とき読本」、「ワイヤレスブロードバンド教科書」、「IMS入門」(何れも共著)など。